高血圧について
ご自分の血圧を知っていますか?
また、正常な血圧値を知っていますか?一般に、正常な血圧は最高血圧130mmHg~最低血圧85mmHg未満とされています。また140/90mmHg以上を高血圧とし、治療が必要と考えられます。
40歳以上で多く見られる加齢、遺伝、肥満、食生活などのさまざまな要素がからんで原因のはっきりしない「本態性高血圧」は、血圧が高い他は自覚症状がほとんどなく、気づかない人もたくさんいます。高血圧は、ほうっておくと、脳血管障害や心筋梗塞、心臓肥大などの原因となる可能性も。
合併症を起こさないうちに早めに治療することが重要です。まずは、血圧を測定してみましょう。
QOLを改善し、降圧薬治療を助けます
漢方には、血圧を短時間で強力に下げる薬はありません。
高血圧の患者さんの中にはストレスなどにより頭痛、めまい、のぼせ、肩こりなどの症状を訴えたり、それが原因で血圧コントロールに支障をきたしている患者さんもいます。
漢方ではこうした自覚症状を改善し、患者さんのQOLを改善することを目的としています。
不眠や動悸を訴え、神経が過敏になっている人には柴胡加竜骨牡蛎湯、神経系の症状が強く、冷え、のぼせなどの更年期症状を訴える場合に加味逍遙散、起床時に頭痛を訴える場合は釣藤散など、個人の体質、症状に合わせて処方を使い分けます。
暮らしの中の予防法
- 過労やストレスを避け、たっぷり睡眠をとりましょう。
- 肥満は高血圧のもと。カロリー制限と、ウォーキング、サイクリング、水泳などの適度な運動による減量をしましょう。
- 塩分を一日7グラム以下に減らしましょう。ナトリウムが血管中の水分を増やしたり、血管を収縮させて血圧が上がります。
- 果物や生野菜、海藻、小魚をとりましょう。ナトリウムを排出して血圧を下げる働きがあるカリウム、カルシウムを多く含んでいます。
- アルコールは適量(日本酒1合、ビール瓶1本程度)に抑えましょう。おつまみの塩分にも要注意。
- タバコは厳禁。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、動脈硬化を起こす可能性があります。
- 寒冷にも注意。急な温度変化も血圧の上昇を招きます。
- トイレで強くいきむのも要注意。便秘にならないように、食物繊維をとりましょう。